ThinkCentre M715q Tinyを買ったという記事を去年の年末に書いたが、その後継機となるM75q-1 Tinyを発売日に注文した。先日それが届いたので早速レビューしていきたいと思う。
- 小型なパソコンが欲しい
- なるべく安くパソコンを買いたい
- でもスペックはある程度高いものが欲しい
といった人におすすめできるPCになっている。
USB PDからスリムチップに変換すればACアダプタも不要になるので、持ち運びもかなり楽。個人的には純正ACアダプタのサイズと形が嫌(配置に困る)なのでめちゃくちゃ嬉しい。
1/3追記
メモリやWi-Fiモジュールの換装をしたのでそちらも見てほしい。
ThinkCentre M75q-1 Tinyを安く買う方法はこちら
PCスペック
まずは私の購入時点のPC構成を紹介したい。
私の購入時構成 | M715q Tiny 最安構成 | |
CPU(APU) | Ryzen 5 PRO 3400GE(3.3GHz, 4C8T) | Ryzen 5 PRO 2400GE(3.2GHz, 4C8T) |
メモリ | 8GBx1枚 | 8GBx1枚 |
チップセット | AMD B300 | AMD B300 |
VRAM | 最大約4GB | 最大約1.7GB |
OS | Windows 10 Home | 左同 |
LAN | Realtek | Realtek |
WLAN | Intel Wireless-AC 9260(Wi-Fi 5) | なし(Intel 9260増設) |
M715q Tinyは最安構成で購入し無線モジュールの増設をしたが、正しいアンテナの配置が知りたいので今回のM75q-1 Tinyでは敢えてIntel 9260を搭載させた。
分解写真
ネジ
増設・換装の項目で紹介するが手回しネジに交換。これで開けやすくなる。
そんなに開け閉めするつもりはないが、メンテナンスしやすくするのは大事。
開封
M715q Tinyと同様に開けやすいが、内部の構造が全然違う。
2.5インチベイ
今回はHDDを搭載した……が、この2.5インチベイはネジが不要なのでSSDのみで買っても問題ない。
HDDを外す際はSATAケーブルを引きちぎらないようにコネクタを慎重に外そう。
M.2 スロット Wi-Fiモジュール用
Intel 9260を搭載させて購入した。2230サイズのKey A+Eのものが使用可能。
後ほどIntel AX200に換装予定。
メモリ・M.2 SSDカバー
M.2 スロット SSD用
M715q Tinyを128GBのSSD付きで注文すると2242用の小さい放熱パッドしかついていなかった(SSDが2242なので当たり前だ)が、今回はSSDなしで注文したのに2280もしっかり冷やせる放熱パッドがついている。
HDDのみで購入しても放熱パッドがついているのは非常に嬉しい。
メモリ

メモリスロットは2つある。私のメモリはSK hynix製だったが、調べるとSamsung製の人もいるらしい。羨ましい。
でもCrucialの16GBx2枚に変えちゃうからいいか。
ドライバのダウンロード先
こちら
動作確認
HDMI 4K60Hz出力?

私の持っている43UD79-BにHDMI接続してみたところ、普通に4K60Hz出力できているように見える。
Twitter検索すると同じように4K60Hz出力できている人がいた。その方の環境では私の環境では暗転等の不具合が出たりもしない。
もしかしてHDMI2.0以上なのだろうか。
参考サイト

このサイトの構成だとHDDではなくM.2 SSDを搭載しているようだが、SATAケーブル(コネクタ)をマスキングテープで留めているようだ。
筐体内でブラブラさせておくのはよくないのかもしれない。
Windows Update失敗
M715q Tinyでは失敗せずに普通に進んだのだが、M75q-1 Tinyでは3回中3回ともWindows Updateでコケた。
とはいえブルースクリーンが表示されて再起動したら何も問題なく動くのだが……ちょっと心配。
1/12追記
コケなくなった。
USB PDで動作可能

1/15追記
動作確認済みUSB PD充電器の情報を記事にまとめた。
先日、USB PD対応充電器からLenovoのPCが使えるようになるというLenovo USB Type-C – スリムチップアダプターを購入した。
私の持っている65W以上のUSB PD充電器は2つ。Apple 87W USB-C電源アダプタとSlimQだ。
両方とも起動はするのだが、SlimQの方はベンチマークを回すと電力消費に耐えられないのか強制的に再起動されてしまう。恐らく過電流による保護回路の作動で出力が止まっているのだろう。
Apple 87Wのほうはベンチマークも問題なく動作し、純正ACアダプタ(65W)と同等のベンチマークスコアが出た。
ちなみに出力65W未満の充電器では起動すらしない。電源ランプがつかない。
Xiaomi CDQ02ZMやRAVPower RP-PB059、Omars TC-084PAで検証した。
使用中の電力消費をモニタしたいと思って手持ちのUSBテスターのKT001を使用しようとしたのだが、こいつを間に挟むと起動しなくなるので電流・電圧を測ることはできなかった。残念。

安く買う記事のコメントでunirさんという方が多数の充電器で検証してくれているので過去記事も読んでもらえると嬉しい。
そういえばケーブルの購入ページにあるこの表記は一体何だったんだろう。
Lenovo USB Type-C – スリムチップアダプターをご利用いただくことでUSB Type-C ACアダプターによってスリムチップコネクター搭載のThinkPadを充電することができます。スリムチップコネクターによるパワー出力は、45W、20V/2.25Aとなります。長さは180mmです。
Lenovo USB Type-C – スリムチップアダプター | アダプター | レノボジャパン
ベンチマーク
SSDだけ960 EVOに変えたが、RAMの増設等はせずどちらも出荷時のスペックで測定しているので、デュアルチャネル動作ではないことを頭に入れておいてほしい。
M75q-1 TinyとM715q Tinyの比較という形で写真を貼った。
PassMark Performance Test 9(3688.8点)
M75q-1 Tinyの1度目のスコア
何故か3Dテストが進まなかった再度M75q-1 Tinyのスコア
今回は通ったがスコアが落ちたM715q Tinyのスコア メインPC(1950X+GTX1070)のスコア

CINEBENCH R20 (1455pts)
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION (989点)
M75q-1 Tinyのほうが低いという結果になった。
出始めだからドライバがあまり良くないのかもしれない。上のPassMarkでも3D性能はM715q Tinyよりも悪いし。
ベンチマーク(12/30追記分)
次の記事でメモリ増設してスコア比較……みたいな記事を書こうと思ったが、コメントでこちらの2つのベンチマークを回してほしいと依頼があったので先にこちらに追記しておく。
上記ベンチマークとは条件が違うので注意。16GBx2枚のデュアルチャネル動作(2666MHz)であることを頭にいれて見てほしい。
M715q Tinyは既に親戚用のPCとしてセットアップして譲渡してしまった。なので比較画像は上げられない。申し訳ない。
CINEBENCH R15 (758cb)

省電力(35W)なGEなのに思ったよりスコアが高い。Core i7-3770よりスコアが高いのにはびっくり。
soutaさんのコメントで教えていただいたのだが、価格.comのレビューに2400GEのスコアがあるので比較してみてほしい。
このベンチマークソフトは既に公式での配布は終了している模様。私は過去にダウンロードしていたので所持していたが、もしこのベンチマークを回したい人は第三者がアップロードしたものを使用することになると思う。十分に気をつけて自己責任で実行してほしい。
一応私の持っているファイルのハッシュ値を記載しておく。
CINEBENCHR15.038.zip
CRC32: BA07532C
MD5: E254FE22253DFD81EAECCD566CAFDE60
SHA-1: 29C23F58C628B63DF5099FF44378B501A8FA3B9E
FINAL FANTASY XIV 漆黒の反逆者 (2684点)

一応サッとできるベンチは回したが、他にも回してほしいベンチマークがあればコメントに書いてほしい。
12/30追記
よく見たらVRAMが2GB前後しか割り当てられていない。最大4GBの設定はUEFIのVideo Setupから見れると思ったのだが、UMA Frame Buffer SizeはAutoの他には32MB, 64MB, 128MB, 256MBの4つの項目からしか選べない。
もちろん256MBに設定したら専有VRAMは256MBになってしまう。専有できるのはAutoにした際の2GBまでで、後の2GBはメインメモリと共有なのだろうか。
コメント
大変詳しいレビューありがとうございます。参考になりました。
もしお時間があれば、メモリをデュアルチャネルの構成で「Cinebench R15」「FFXIV」のベンチマークをして頂けないでしょうか?
価格ドットコムなどでM715qのスコアを公開している方もいますし、古いバージョンの方が比較できるのです。
https://review.kakaku.com/review/K0001197913/ReviewCD=1270704/#ReviewRevision-2
コメントありがとうございます。
早速2つのベンチマークを回したので記事に追記しました。
はじめまして。貴重な情報ありがとうございます。
M.2を実装されていますが、発熱の状態はいかがでしょうか。
追加の熱対策は必要なさそうでしょうか。
コメントありがとうございます。
私のM75q-1 TinyにはSamsungの960EVOを搭載しています。CrystalDiskMarkというベンチマークを5回連続で回している間は53度までしか上昇しませんでしたので、個人的には追加の熱対策は不要と考えています。